すぐにわかるかつら
時々、分かりやすいかつらを被っている人を見つけることがあります。
かつら会社で働いていますので、「職業病」と言いますか、普通の人より「かつら」に敏感かと思います。
大半のかつらユーザーの方は、人から見て自然で違和感がないようにといろいろ自己チェックをしながら何かしらの工夫しておられます。
そしてパッと見ただけではわからないように気をつけておられます。
かつら人口は結構います。その割にはかつらと明らかにわかる人は少ないのではと思います。多くの方はうまく着けていらっしゃるのです。
しかし、一般の人でもすぐ分かってしまうかつらを着けている人も実際にいらっしゃいます。
すぐにかつらと分かってしまう人の特徴は、とても不自然に見えることです。
また、そのようなかつらを着けている人は、周囲から指摘されても、自分自身を変えようとしないポリシーがあるように思えます。
(ポリシーに違いない、そうでなければ、あのようなばればれなかつらを平気で使えるはずがない!そう思えるようなひどいかつらをつけておられる方がたまにいらっしゃるのです!)
かつらの生地が破れていてもそのまま使っていたり、脱毛しているかつらを黒く塗りつぶしたりしていることもあります。
また、人工毛のかつらを装着していらっしゃる方には、年数が経っているのか毛が黒光りしており明らかに自毛と全く違っていておかしいというような方もおられます。
すぐにわかるかつらは、どう頑張っても、素人でもわかってしまうのです。
かつらと分かってしまう瞬間
かつらを使っている人の多くは、誰にも悟られたくないと思っているはずです。
すぐにわかるかつらは別として、普通のレベルのかつらでも、「かつらだ!」と分かってしまう瞬間があります。
それは、かつら自体というよりは、かぶり方などで、やはり不自然に見えるポイントがあるからです。
ばれにくいかつらでも、ばれてしまう要因があるのです。
今からお伝えすることをしっかり覚えておくと、いざ、かつらを使う時に失敗が少なくなるでしょう。
着け位置
かつら初心者の方が、陥りやすい間違いは、「自然なかつら」=「被ればOK」ということです。
何も考えずに被れば自然ということは、絶対にないのです。
かつらと悟られないようにするためには、「かつら」をよく知ることが一番の近道です。
かつらのかぶり位置がおかしい人がいます。年齢の割りにやたらと額がせまいというような場合は何か違和感を感じるものです。
どんなかつらでも、着け位置を間違えないこと、「基本中の基本」ですが、意外とできていない人が多いのです。
あと、微妙に着け位置がずれるだけでも自毛に馴染まなくなる場合があります。
最初に作った時に被った着け位置、これを憶えて、必ず同じ位置を守ることが重要です。
また、どんなに自然なかつらでも、被り位置がコロコロ変わると、誰が見ても不自然に見えます。
会うたびに何かその方の印象が違うというようでは駄目です。
部分かつらの段差
次に、よくありがちなばれる原因は、部分かつらの自毛とかつらの毛の段差です。
自毛は伸びますが、かつらの毛は伸びません。
自毛の手入れを怠ると、不自然な段差ができてしまい、かつらと分かりやすくなってしまうのです。
分かりやすくなるのは、毛の長さだけではありません。
人毛のかつらの毛は、退色してきます。
自毛は生えかわりますので、退色があまり目立ちません。
自毛も退色はしますが、かつらよりもゆっくりと退色していきますので、かつらとの毛色に差が生じます。
かつらの染色を怠ると、かつらと自毛の境目が目立ち、かつらと分かりやすくなるのです。
全かつらの浮き
すっぽり被るかつらにも、不自然に見える特徴があります。
それは、もみあげや襟足が浮いてしまっている状態です。
もみあげはフェイスラインに沿っていますが、フェイスラインから離れて浮いていると不自然に見えます。
もみあげに付けた両面テープが汗をかいて剥がれたりすると、もみあげのベースが浮いてしまうことがありますので、こまめにチェックが必要です。
また、襟足にも注意が必要です。
自毛でも長くすると、襟足の毛が浮いて見える場合があります。
サイズが合っていないかつらや、襟足を調整できないかつらは、浮いて見えやすくなります。
オーダーメイドでないかつらを購入する際は、ピッタリのサイズ確認ができる(試着等)ことと、襟足を加工できるかつらを選ぶと良いと思います。
襟足の毛が浮く場合は、スタイリング剤等でしっかり首にフィットした状態をキープできるようにすことも、ばれにくくする方法のひとつです。